赤外線診断のあれこれ③

赤外線カメラで熱を測定する場合に重要となってくるのが、撮影する角度となります。一般的に、測定部位の水平面から

  • 上下45°(合計90°)
  • 左右30°(合計60°)

の範囲で測定を行う必要があります。この範囲外のデータは、正しい値ではありません。

当方で利用しているMavic 3Tの画角を見ると、DFOV(対角視野):61° となっています。となると、水平で52°、垂直で36°の範囲の画像が映る事になります。先の有効なデータの条件と照らし合わせると、カメラを壁の法線に対して水平・垂直に構えたとして、垂直方向のデータは全て用いる事が出来(36°<90°なので)、水平方向のデータも全て用いる事ができる(52°<60°)事になります。

高さと距離を自由に変更できる、つまり周りに障害物がなく、ドローンが好きな位置をとる事ができるのであれば、カメラの角度を変えずに撮影できそうです。例えば2階建ての住居(高さ10m)を36°の範囲に収める場合、高さ5m、距離約16mの位置から取れば良い事になります。

ただ、実際にはこのような距離を取る事が出来ません。首都圏の一般的な住宅地の場合、道路面は4m、お隣との境界線からの距離は1m以内、ということも多いかと思います。よって、ドローンで撮影を行う場合は、道路側は飛行させて撮影、それ以外の面は手持ちor長い棒にカメラを取り付けての撮影になります。
ちなみに、1mの距離だと、垂直方向1m、水平方向0.65mしか撮影が行えません。水平方向には4°しか振れないので、それで稼いでも0.65 -> 1mなので、壁面が10m✖️10mあったとして、有効画面内に収める形で撮影すると、100枚撮影する必要があります。(実際はお隣の家との交渉を行い、敷地内に入らせてもらう、のが現実的でしょうか)

このようなカメラの特性を理解しつつ、正確な測定が行えるように心がけております。外壁点検が必要な際は、是非、ご用命頂けば幸いです。

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